ひたむきに戦ったラストゲーム RSS
2017年1月4日 18時40分
女子3回戦、今日からシード枠のWリーグ上位8チームが登場し、戦いのレベルはさらに上がることとなった。その中で、高校女子で唯一3回戦へと足を踏み入れたのが、東海ブロック代表として出場した岐阜女子高等学校。3回戦で、Wリーグの絶対的女王・JX-ENEOSサンフラワーズ(WJBL1位)との対戦が実現した。
⓪吉田 亜沙美選手、⑩渡嘉敷 来夢選手、㉑間宮 佑圭選手といった、日本が世界に誇るスター選手を数多く擁するJX-ENEOSサンフラワーズ。ウインターカップ準優勝の岐阜女子高等学校にとっても格上のチームであることは間違いなく、失うものがない分、全力でぶつかることができる相手だった。試合は地力の差からじわじわと点差が開き始めたが、岐阜女子高等学校が持ち前の堅いディフェンスを披露する場面も多々あり、オフェンスでは⑤藤田 歩選手がバスケットカウントを獲得して会場をどよめかせるなど、各所で見せ場を作った。最終スコアは89-54。観客から巻き起こった惜しみない拍手が、岐阜女子高等学校の健闘を何よりも証明していた。
試合を終えて、岐阜女子高等学校の安江 満夫監督は、「本当によく頑張ってくれました。バスケットボールは、Wリーグも高校生も中学生も小学生も、基本的には変わらない一つの競技です。自分たちがやってきたことは間違いではなかったと、JX-ENEOSさん相手に見せることができて良かったです」と、すがすがしい表情を見せる。
また、選手たち自身も、やり切ったような表情だった。⓪吉田選手とマッチアップしたガードの⑤藤田選手は、「速いし、ドリブルもうまいし、ディフェンスでもすごく周りに声をかけていて…。吉田選手のような選手が、世界で通用するプレイヤーなんだなと思いました。憧れの選手と対戦できて、うれしかったです」と語る。
日本トップレベルのテクニック、パワー、高さ、スピードを、公式戦で高校生のうちに肌で感じられる機会など、そうあるものではない。この経験は、必ずやこの先のステージに生きてくるはずだ。
そして3年生にとっては、これが高校ラストゲームとなった。岐阜女子高等学校は、2015年にウインターカップ初優勝を果たし、翌2016年は全国優勝こそなかったが、インターハイ・国体・ウインターカップと準優勝。“高校3冠”を獲得した桜花学園高等学校(愛知)の対抗馬として、間違いなく高校女子バスケットボールを盛り上げたチームだったと言えるだろう。
安江監督は、「身体的に恵まれていなくとも、ひたむきに取り組めばバスケットボールは必ず伸ばすことができるということを、彼女たちから改めて教わりました。こちらが高いレベルで要求してきたことに対して、へこたれず、歯を食いしばってやり遂げてくれて、本当によく頑張ったと思います」と、選手たちを優しくねぎらった。
[ 記事URL ]